あさぎり拠点に新しい竹筋コンクリート舗装の駐車場と雨庭ができました
- Yuta Masakane
- 3 日前
- 読了時間: 3分
2025年8月、地域共創流域治水あさぎり拠点の駐車場に、雨庭と竹筋コンクリート舗装の駐車場が一体となった「あさぎりの竹しずく|竹と雨を楽しむグリーンインフラ駐車場」が完成しました。

あさぎりの竹しずくは、鉄筋の代わりに「竹筋」を用いた透水性舗装駐車場と雨庭を一体にした流域治水の新しい実践の場です。地域の工務店の協力のもと、多様な専門家と地域の職人が力を合わせてつくりあげました。竹が水を導き、雨滴が庭にしみこむ——自然と共にある暮らしへの、小さな提案です。
研究課題4のリーダーである地方経済総合研究所が中心となり、熊本県立大学、熊本グリーンインフラ研究会、近畿大学、お庭やさんほうき、㈱ニューテック康和、あさぎり町放置竹林再生協議会、㈱地方総研、あさぎり町地域おこし協力隊、信州大学から集まったメンバーが議論を重ね、実現しました。そして敷地をご提供くださった勇工務店さまのご尽力とご協力で本プロジェクトは実現しています。
この場所では、屋根に降った雨は雨樋を伝い雨庭に流れこみます。
元々あった竪樋を3つに分岐し、雨庭に雨を流しています。一つは元々の竪樋のまま。向かって右に分岐した先は雨水タンク、左に分岐した先は雨水管を伝い鹿威しに落ち雨庭に流れます。雨水タンクに使用している樽は、焼酎樽として使われていたもので倉庫で未利用になっていたものを再利用しています。雨水タンクがいっぱいになったら、オーバーフロー管から駐車場表面に設けた水路へ水が流れ、最終的には雨庭に流れ込みます。左に分岐した雨水管は、一般的な塩ビ管と透明なパイプを組み合わせています。透明にすることで水の流れを可視化しています。一方でグレーの塩ビ管を目立たたなくさせるため竹を組み、川の流れをイメージした壁面デザインにしています。また、今回のプロジェクトでは、竹筋の橋梁にも挑戦しています。橋梁部にも車は乗れるよう構造設計をしています。雨庭に竹筋コンクリートの橋が架かるようなデザインになっています。



ここからは施工の様子を写真で紹介します。























今後は、大雨時の水位の変化を計測したり、竹筋の強度を調査し、雨庭とともに竹筋コンクリートの普及にも取り組んでいきます。
また、視察も積極的に受け入れています。「あさぎりの竹しずく」がある熊本県球磨郡あさぎり町周辺には、他にも流域治水やグリーンインフラ、Nature based Solutionsの挑戦的な事例がたくさんあります。ぜひ一度訪れてください。
視察ツアーに関する詳細は以下のページをご覧ください。 https://www.reri.or.jp/studytour/
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