流域治水の技術に関する基礎的な現象解明から実装研究まで、広範におよぶ研究課題です。市町村等の公共事業等を活用した試験サイトを設定し、企業との共同研究に よって要素技術を開発するなど、実用的な技術開発を行います。この研究開発の最終目標は、実用可能な技術の提案とガイドライン作成です。
萱場 祐一
教授
名古屋工業大学大学院
工学研究科
ターゲット2の「豊かな環境と恵みのある暮らし」を達成するために、治水技術と環境再生・持続的社会計画を統 合するための研究課題です。本課題は、空間情報、地域資源、生物多様性、災害リスク、流出抑制等に関する基礎情報の分析とデータベースの構築、生物多様性を高める流域治水技術の検討・導入やダム下流区間の環境の改善などの環境再生手法、ボトムアップ型による支流計画と全体計画の統合計画論の研究からなります。最終目標はボトムアップ型計画手法の確立とガイドラインの作成、そして環境再生です。
皆川 朋子
教授
熊本大学 大学院先端科学研究部
社会基盤環境部門 環境保全分野
徹底したユーザー視点にたった低価格のボトムアップ型のloT技術導入。地域の環境データ収集を分野横断で行い、インフラ共有、汎用品活用、データ統合利用等による徹底的に安価で、持続可能、自己拡大•発展可能なシステムの実現をめざします。モデル集落・流域を選定し、共創によるワ ークショップを通してフィードバック。流域治水とスマート農業、スマート林業、観光、福祉・健康分野との連携、地域DXが実現されるための社会システムについて検討を行い、地域DXとして流域全体に広めるためのプロトタイプ構築を目標としています。
古田 尚也
教授
大正大学 総合学習支援機構
研究開発課題5で構築される人材ネットワークをペースに、人吉球磨地域に集いの場を形成します。SDGsに基づいた産業連携、産業創生、地域管理のための団体を設立します。サステイナブル 観光、農観連携、地域に根ざすloTベンチャ ー、ネイチャ ー ツ ーリズム、グリーンインフラ管理団体などを想定し、3年目以降、毎年1件の産業創生を目標としています。人口減少が進む流域の人口一人あたりのGDPを指標とし、全体の経済効果を算出して評価します。
宮野 英樹
部長
(公財)地方経済総合研究所
研究開発部門
「学びの場の提供」「主体形成」「連携の強化」に関する活動を行い、地域内にパートナーシップ 形成の実装を行います。有効性、波及性を評価したうえで、「地域共創流域治水」を進めるためのパートナーシップ形成手法のガイドブックを作成します。大災害にたびたび見舞われてきた熊本県において、熊本県立大学は大規模災害に対する研究を積極的に行っています。2021年4月から 「緑の流域治水研究室」を立ち上げ、課題挑戦への環境が整っています。